■素の暮らし2月 ベジタリアン料理家 erico さん

今月のエキスパート   ericoさんインタビュー

垣根を超えて楽しめる食

私の日頃のお料理は菜食で、植物性の食材のみを使っています。料理のスタイルは、日本伝統食材と海外の刺激との両立。そして、ヘルスコンシャスな食材とおいしさとの両立です。植物性の食材と古式製法のおいしい調味料にスパイスやハーブをプラスすること、また身体に良いものはおいしくないというイメージを払拭するための両立をコンセプトとしています。菜食を伝えていく中で 一 番大切にしていることは食の垣根を取り払うこと。国籍とか信条など色々な立場によって食べる物が変わる中で、菜食だと同じ食卓を囲める。例えばイスラム教やヒンズー教の方、ヴィーガンの方なども 一 緒にご飯が楽しめる。それに加えて菜食の良さは、野菜だけでなく肉や魚など好きな食材を足してよりおいしく食べることができる。私の考える菜食は、各々が自由においしさを作り出せる真っ白いキャンバスのような捉え方をしています。

“陸の野菜”と“海の昆布”のおいしい関係
一緒に食べてデトックス

ベジタリアン料理家として料理教室や食のセミナーをさせていただく仕事柄、健康への相談をよく受けます。中でも多いのは便秘の相談。大人はもちろんお子様のこともです。便秘の原因の一つとして腸内環境の悪化があり、腸の状態は皮膚にでると言われています。腸と皮膚は表裏一体なんですね。だから便秘の人は吹き出物が出やすい。それは、溜まった便の成分を腸から再吸収して血液中に回り、身体はその成分をどこからか出そうとするから。それが吹き出物です。言ってみれば顔から便を出しているということなんですね。ですので腸内環境が整うことは便秘には必須です。便秘といえばサツマイモやゴボウがよい言われていますが、実は海藻類がものすごく腸の掃除になるのです。

そのカギとなるのがミネラル。腸内環境を整えるにはミネラルが必要です。実は日本人はミネラルが不足しがち。それは日本はヨーロッパに比べて土壌にミネラル分が少ないから。ヨーロッパは平地ですので、大地に降った雨が地面にミネラルとしてたまり、普段飲む水から簡単に摂取できます。山地の日本では、山から川として水が流れ、海へ行く途中で土の栄養分であるミネラルが全部海に流れてしまいます。古くから日本人は海のものである海藻によってミネラルを補給している民族なんです。マクロビオティックでも一日に昆布の小さい破片一枚でもいいから食べるようにと言われています。海藻の中では昆布が一番パワーが強くミネラルが多いからなんですね。本来、日本の主食である米にもミネラルが豊富なはずですが、豊富である玄米の周りのヌカの部分を捨てた白米を食べているから摂取できないんですね。

だからこそ昆布などの海藻類を普段の食事に加え、ミネラルを補給し便秘も解消することをお勧めしています。主食でも便秘に効果的なのは赤飯。私の家では子供が赤飯が好きで年中炊きますが、必ず昆布と一緒に炊くのが私流。炊飯器に米、小豆、水を入れ、最後に昆布を入れるとすごく早く炊けますし、小豆も柔らかくなります。元々便秘にいい小豆と昆布はデトックスに最適な組み合わせです。他にも、海藻と長芋や山芋、玉ねぎやキャベツなど合わせるのもおすすめ。キャベツの千切りと昆布を和えたものとかね。デトックスによって腸内環境を整えることで本来の身体のバランスを整えることにつながる。野菜や米などの”陸のもの“と、昆布など”海のもの“との組み合わせは、身体や心においしいステキな関係ですね。

腸活に効く!昆布パワーの秘密

腸内環境を整える「腸活」ですが、昆布には腸活に有効な成分が豊富に含まれています。代表的な成分がアルギン酸。腸内で腐敗物質を抑え、善玉菌のエサになって便通を良くしたり、美肌に欠かせないビタミンB群を生成します。日々の腸活に昆布を取り入れてみてはいかがでしょうか。
神宗店主


ベジタリアン料理家 erico さん プロフィール
マクロビオティック望診法指導士 ベジタリアン料理家。『erico のNeo ベジタリアンR料理教室』『NeoベジタリアンR指導者養成講座』主宰。重度のアトピーだった息子と家族での「完全菜食」の実践を経て垣根の無い食のカテゴリ=『NeoベジタリアンR』考案に至る。カラフルでインパクトのある輪郭のはっきりしたお料理が特徴。ゆめディア刊行の著書二冊。

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