2026年3月14日 堺一文字様「極上のだし巻きを巻こう」

2026年3月14日(土)、大阪の包丁専門店「堺一文字光秀」様にて、だし文化を深く掘り下げる食育セミナーを開催いたしました。

会場には元料理人の方や飲食店を経営されているプロの方も多く、既に確かな知識をお持ちの中で「改めて基礎から学び直したい」という熱意に包まれた、非常に濃密な時間となりました。

セミナーの様子

知識を整え、五感で「旨み」を紐解く

まずは基本五味のおさらいから。知識として知っている「旨み」を、いかに実感として捉えるか。
今回は、削りたての「花削り」をそのまま口に含んでいただき、口内で旨みの相乗効果を完成させるという新しい体験をご提案しました。最初は戸惑われていた皆様も、じっくりと広がる豊かな風味に、最後には「美味しい」と顔を綻ばせていらっしゃいました。

昆布の花削りをまず口の中で柔らかくしてから、鰹節を口に含み、口の中で旨みの相乗効果を生み出します

また、だしの抽出に欠かせない「水」の重要性についても深く掘り下げました。
硬水と軟水の比較では、ミネラル分がだしの抽出を妨げるメカニズムを、身近な洗濯機の泡立ちに例えて解説。エビアンと天然水の飲み比べを通じ、なぜ日本の食文化が軟水と共に歩んできたのかを再確認する機会となりました。

エビアンとサントリーの天然水。どちらもラベルに「硬度」が表示されています

実践、削りたての香りと「だし引き」の技

「かつお節は風味が命」。その言葉通り、削りたてに勝るものはありません。
削り器を使った体験では、皆様すぐにコツを掴まれ、会場は瞬く間に芳醇な香りに包まれました。

続く「だし引き」の実演では、昆布の雑味を出さないための温度管理を徹底解説。
その後の「吸い地作り」では、自分たちが美味しいと感じる塩分濃度を測定しました。一般的に「ヒトの体液と同じ0.8%」が基準とされますが、旨みがしっかり効いていれば、0.5%〜0.6%という僅かな塩分で十分に満足できることを、数値をもって実感いただきました。
ご家庭でも、自身の味覚を「数値化」して知ることは、健康で豊かな食卓への第一歩となります。

職人の道具と、繊細な「だし巻き」の共演

後半は、銅の卵焼き器を使っただし巻きの実演です。
だしの量を極限まで増やした「1:2」の配合は、プロでも緊張する難易度。実演が見事に成功し、綺麗な層が重なった瞬間には、受講者の皆様から温かい拍手が沸き起こりました。
その後の各テーブルでの体験では、だしの多さに苦戦しながらも、皆様それぞれの「理想の一本」に向き合っていらっしゃいました。


そして、今回の会場ならではのハイライトが「堺一文字光秀」様の包丁による切り比べです。
せっかく美味しく焼けた料理も、切れ味の悪い包丁で細胞を潰してしまえば、大切なだしが流れ出てしまいます。
「食材に負担をかけずに切る」ことで、だしを内側に閉じ込める。
異なる種類の包丁を試し、「これもいい!」「あれも素晴らしい!」と興奮気味に感触を確かめる皆様の姿が印象的でした。

結びに

最後は、自作のだし巻き、一番だしのお味噌汁、そして炊き立ての白ご飯で試食。
「だし巻きが美味しすぎて、ご飯をおかわりしてしまった」という嬉しいお声もいただき、セミナーは盛況のうちに終了いたしました。

確かな道具と、素材を活かす知恵。
神宗はこれからも、日々の暮らしに寄り添う「本物の味」を伝える活動を続けてまいります。

淀屋橋本店 営業時間

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土   10:00~16:00
定休日:日・祝日
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