「だし汁の美味しさ」
2018年5月9日、エコール辻大阪様にてだしセミナーを行いました。
今年で4回目となる今回は、「だし汁の美味しさ」というテーマをもとに、昆布だし、削り節だしを中心に、めんつゆ、洋風だしなど約30種類の試飲や、削り節体験などを通じて、日本料理の土台となる「美味しいだし」とは何かについて、学んでいただきました。
セミナーの様子
うま味の種類とそれぞれの味わい
初めに、めんつゆの試飲クイズを行い、昆布だしの代わりに何が原材料として入っているかを考えていただきました。
答えは意外な野菜です。プロの料理人でも難しいクイズでしたが、「うま味」は昆布や鰹節だけではなく、様々な食物に含まれていることを実際に味わって実感していただきました。
食材の中でも特に「うま味」が多い昆布は、和食の要です。昆布の種類や、だしの引き方の違い、その味わいについても詳しく学んでいただきました。
削り節体験と、鰹節が出来るまで
削り器で実際に節を削り、ふわふわの削りたてのまぐろ節を試食して頂きました。「荒節」と「本枯れ節」などの製法による違いや、魚の種類による味の違い、さらに使用した節の違うめんつゆの味くらべなどを行いました。
美味しい一番だしを知るために
3種類の「美味しくない」一番だしを試飲し、美味しくない原因は何なのかを考えました。美味しい一番だしを味わうことも大切ですが、「美味しくない」一番だしがどういうものなのかを知っておくことも重要です。
だしは日本料理の土台であり、だしが美味しくなければ、当然料理も美味しくはなりません。だしの美味しさを構成する要素やバランスを知っておくことで、美味しいだしをきちんと引けるようになるのです。
だし引きの実演
実際に昆布と削り節を使って、一番だしの引き方を実演しました。
プロの料理人による実演に、興味津々で動画を撮影される方もいらっしゃいました。
4種のパターンを作り、昆布と削り節には相性があることをお話ししました。繊細な味わいの違いとなり、学生の皆さんは何度も飲んでじっくりと味くらべをしていました。
だしを知ることが料理の可能性を広げる
今回のセミナーでは、多くの先生方のご参加もあり、質問コーナーでは様々な質問をいただきました。
昆布と削り節以外の「うま味」や、素材同士の無数の組み合わせ、洋風へのアレンジなど、だしは奥深く、可能性が大きいものだということが実感していただけたと思います。今回のセミナーを通じて、将来の料理界に羽ばたく皆さんの、知識の土台のひとつになれば幸いです。